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名称 エビイモ(海老芋)
海老芋の写真
海老芋

掘りたての海老芋
掘りたての海老芋

海老芋畑
海老芋畑

分野 産業
地区 全域にわたるもの
所在地 豊田、竜洋、豊岡地域
見所

高級だが、希少なのが京都産。その高級感を保ちながら大衆化させたのが磐田産。「味は京都産だが磐田産でも十\分通用する」長嶋茂雄に請われてアテネ五輪の野球日本代表\団に同行した料理長、野崎洋光氏が太鼓判を押す。(平成17年(2005年)11月ごろ読売新聞に紹介された記事より)


京野菜の海老芋と北海道産の棒鱈をカツオと昆布の出し汁・砂糖・醤油で一日煮込み、仕上げに秘伝の汁「古地」をさっとかける。京都で創業300年の海老芋料理「いもぼう平野屋本家」13代にわたって受け継がれてきた料理は素朴な一言では片づけられない。川端康成・吉川英治・松本清張といった文壇の巨人達もこよなく愛したという。伝統の味は長く、異質なものが入り込む隙はなかった。そこへ遠く離れた地で生まれた「よそ者」の食材が徐々に使われ始めてきた。それが磐田産海老芋である。


10年以上前、試してほしいと送られてきたのだが、まず一日煮込むと崩れた。関西特有の滑らかな食感がなく、口の中に繊維質の筋も残った。平野屋が江戸時代長崎から唐芋を持ち帰り、改良して京野菜に育てたのが海老芋の元祖。独特の調理法もあって、磐田産を容易に受け入れてくれないのは当然であった。


しかし、その後も磐田から届く試供品の向上ぶりに、さすがの元祖も「びっくりし、味も、舌触りも、だんだんよくなってきた」とのこと。産地側には「京都産より煮崩れしやすいかもしれないが、味・食感は負けてはいない」と自負があった。そして、磐田産が採用されたのが7年ほど前からである。


10月から翌年の4月中旬頃までの海老芋料理の期間中に、不足がちな食材を一部補うため2〜3月のみ限定とはいえ、厳格な老舗の味を動かした意義は大きい。


また磐田産は、国内の味覚が集まる東京の高級和食店にも進出している。「磐田ブランド」は全国の料理人にも認められつつあるようだ。


今や磐田産は本場関西で浸透し、販売額の全国シエア8割を占める。年間で京都産の10倍に相当する800トン前後が量産され、庶民の口にも高級食材の味を伝えている。

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