秋葉燈寵は町や村を火災から守ってもらう民衆の素朴な信仰のシンボルである。
竜洋地区には14箇所の秋葉燈籠がある。その中で高木の秋葉燈寵(明治元年(1868年)建立)、川袋(野崎)の秋葉燈籠(明治4年(1871年)建立)は共に市指定有形文化財。分布は西地区(旧掛塚町)が7箇所、東地区(旧袖浦村)が5箇所、北地区(旧十\東村)が2箇所である。
形状的には有形文化財の2箇所は別格であり、あとは角形柱状形式のものが3箇所、龍燈形式のもの3箇所、石造りの燈龍形式が6箇所。
火災が多いため秋葉灯籠が多く建立されているとはいえない。現に掛塚地区は、明治時代に10軒以上の類焼した火災は10回を超えているにも拘わらず、それほど多い秋葉燈寵は建立されていない。むしろ民衆の信仰の問題であると思われる。
◎市指定文化財
竜洋地域にある秋葉灯篭のうちでも古いのは高木の公会堂の所にあるもので、明治元年(1868年)掛塚の大工棟梁曽布川藤次郎が建立したものである。この灯籠は大きくて彫り物が精巧で美しい。末広の囲い板の上は中の灯明の灯りが漏れるように連子窓がついている。これが夜道を照らす灯台と同じ役割を果たした。
野崎の秋葉灯籠は、明治4年(1871年)大工棟梁石川正作の建立したもので、形や彫り物が立派である。
この2つの秋葉灯籠は磐田市指定文化財になっている。
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