たたきごぼうは、岩井地区の氏神である鹿島神社の祭礼の供物の一つ。 調理法は、茹でたごぼうをまな板に載せ、すりこ木でたたきほぐす。数人が並んで一斉にごぼうを叩く光景は、毎年TVにも放映され、広く知られるようになった。
この後、たたきごぼうを、砂糖・塩で味付けした酢に漬けておく。祭礼当日、三方にヒノキの葉を敷きその上に、セリ・大根・たたきごぼうの酢和えを盛り付けて、神前に奉納する。ヒノキの葉に盛り付けるというのは、特徴的な儀式で、神に捧げる神聖な食物なので加工品を避ける意味と、ヒノキの葉が持っている神性や活力を人間が受けるという信仰があると考えられる。
この祭事は、多くの古社の例に照らしてみて、江戸時代以前の古い伝統を伝えているものといえる。
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