磐田市を含む遠州地域(掛川〜浜名湖)は法要関係については全国的にみて、特殊地域となっている。
当地域と全国的な他地域との大きな差異は次の3点である。
(1)通夜
当地では「おくやみ」といって弔問し、枕元に線香を1本立てて、煙の一筋にそって天国に辿り着くようにとお祈りをする行事である。
全国的には香典を納めて、通夜経に参加した後、遺族と共に清めの酒と精進料理で故人を偲び,語らう場とする所が多い。
(2)三日目の払い
本葬儀終了後、近い親類縁者が集い、祭壇に「御仏前」を供え、別の法要(初七日の読経に同じ)を営み終了後、引出物を受け取る行事をいう。他地域では、四十\九日の法要(満中陰)の後に礼状を添えて香典の半返しといわれる品を送ることが一般的となっている。
(3)初盆の行事
四十\九日の法要の後にあの世に旅立った故人が初めて我が家に帰ってくるのを松明たいまつを焚いてお迎えし、供養する行事が初盆である。仏教以外の宗教では行われない。
他地域によって7月(新盆)と8月(旧盆)に行われる。盆飾りは白木の位牌を中心に、香供物・水・花を供え、茄子で作った牛に乗って帰り、真菰で作った涼しげな青畳の上でゆっくりとお過ごし下さいの心優しい表\現をし、町内の人々にもお参りをしてもらう民俗行事である。農村地域では「大念仏」等も行われる。
※真宗は迎え火や段飾りをしないで、金仏壇に御本尊の阿弥陀如来像を中心に行う。
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