(1)中野白山神社
白山神社は、今から約550年前の寛正3年(1462年)4月に紀伊国(和歌山県)熊野山本宮より勧請し氏神とした、と磐田郡市誌や神社誌に記されている。
(2)絹本着色釈迦十\六善神画像
鎌倉時代後期の作で、昭和57年(1982年)県文化財に指定された。十\六善神は般若経とそれを唱えるものを守護する神で、画像には釈迦をはじめ、文殊・普賢菩薩、玄装三蔵法師、深沙大将などが描かれている。
毎年正月10日の十\日祭「盛松祭り」に於いて、祭壇の中央にこの釈迦十\六善神画像の掛け軸をかかげて、大般若経を僧侶が転読し、五穀豊穣無病息災、村内安全を祈ります。この行事が550年近くも続けられています。
(3)十\日祭(お箱)
正しくは盛松(もりまつ)祭という十\日祭は、お箱さまともいい毎年正月10日に行われる。 盛松と名づけられた未婚の男性3人が、祭りの1週間前から社務所にこもり、太田川で身を清め祭りの日を迎える。当日、盛松たちは芹入りの雑煮を食べ、祭事が終わるまでは一切他人と口をきくことが許されず、一日生神様となる。
盛松たちは白山神社の宝物殿より3つの箱(釈迦十\六善神画像の軸、大般若経文、災難厄除けの午王宝印)を取り出し、祭壇に安置し、氏子たちによる念仏、続いて五穀豊穣無病息災、村内安全を祈り松秀寺住職によって大般若経の転読が行われる。
終わって氏子全員一同に会して柳の枝の箸で芹入りの餅を食べ、盛松たちの作った厄除けのお札とお供物をいただき、白山神社でお払いを受けたのち、盛松たちからひとりひとりの頭上にお箱さまを軽く頂く。盛松たちはこのあと村中の家庭を訪問する。各家庭の神棚と仏壇に礼拝したあと、待機している家族の頭上にお箱さまを頂き、その年の幸せを願うのである。
しかし、近年は戸数も増え、交通事情なども考慮し隣組長宅にて合同で行うようになった。
(4)どぶろく祭
その昔、疫病が流行したとき、村を訪れた僧の「熊野山ではなく白山を信仰すればこの疫病は収まる」という教えに従い、加賀国白山比?(かがのくにしらやまひめ)神社を祀ることになった。
毎年10月の第1日曜日に氏子たちの手で醸造したどぶろくを神前に供えてから酌み交わす白山神社の祭りである。
準備は桶を洗うことから始まり、3週間仕込んだどぶろくを神前に供え投げ餅などもし今年の無事を神様に感謝し、今後の幸せを祈り悪魔払いをする。
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