旧福田町は、日本一の別珍コールテン生産地であり、朝鮮動乱(昭和25〜28年(1950〜1953年)の頃はガチャ万景気に沸いていた。しかし、その工場は1970年(昭和45年)代の円高不況後、種々のマイナス要因が重なり、現在はほとんどが閉鎖または廃業に追い込まれ、工場そのものも少なくなっている。閉鎖された工場は、そのまま放置または取り壊されて、更地、アパートなどになっており、いずれは無くなる運命にある。工場の建物を町の遺産として残したく、私有財産という制約のなか、閉鎖され放置された工場とその付帯設備を有効利用したいと思っている人々もいる。その一つのDOLCE倉庫は、終戦時に国有綿保管倉庫として使われていた織布工場倉庫(昭和50年(1975年)代に閉鎖された木造の倉庫)を、初代福田音楽愛好会「アンダンテ」会長の故寺田昭子さんが音楽ホールとしての利用を思い立ち、平成9年(1997年)4月に改装したミニ音楽ホールである。
DOLCE倉庫は定員60名ほどで、木製特有のドルチェな(柔らかく温かみのある優しい)響きのするホールで、福田音楽愛好会「アンダンテ」主催演奏会の主会場として、年5、6回の演奏会や、音楽団体などの発表\の場、また練習の場として使用されている。特に「アンダンテ」主催による演奏会の際には、休憩時や終演時に出されるクッキーやケーキ、コーヒー等の飲み物は来場者に好評を博している。
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